【中古オーディオ】TEAC カセットデッキ R-919X

今回購入したのはジャンクではなく保証付き中古のTEAC3ヘッドカセットデッキのR-919Xです。

 

このデッキは1983年頃に発売された当時のTEACの最上級のカセットデッキでした。翌年にはその上位機種になるR-999Xが発売されましたが・・・。

このデッキの特徴としては、3ヘッド機では珍しいオートリバース対応機です。2ヘッド機であればオートリバースはそれほど珍しくはありませんが、3ヘッド機は構造上オートリバース機構は非常に複雑で精度が要求されるためあまり見かけません。

 

あとこのモデルを購入する決めてになったのはノイズリダクションシステムです。

通常のドルビーB/Cに加え、dbxノイズリダクションが搭載されています。

これは米国のdbx社が開発したノイズリダクションシステムで、ドルビーNRが単純に高音域を持ち上げて録音するのに対し、音の全体域を圧縮伸張を行い、NS比の向上を図るシステムとなっており、ドルビーと比べて回路にもコストがかかるため家庭用のオーディオ機器にはあまり普及はしませんでした。

しかし、NR効果は40dB以上、ダイナミックレンジはCDを超える100dBを超える高音質再生ができるというシステムです。

 

実際にdbxノイズリダクションを使用して録音してみると・・音質の高さに驚きました。カセットテープは現行品のUR、お世辞にも高音質とは言えないカセットテープを使用して録音・再生を行いましたが、ハイポジション+ドルビーCで録音したテープに匹敵するような音質で、ノイズは聴覚上ではほとんど聞こえないレベルでした。

マクセルURでここまでの高音質再生ができるとは本当にびっくりです。

 

ただしdbxノイズリダクションを使用して録音したテープは対応したデッキで再生するか、外付けのdbxノイズリダクションのエンコード・デコードができるアダプタなどが必須になるため、通常のカセットデッキでは正常な音では再生できません。

ドルビーBであれば高域をトーンコントロールイコライザーで下げればドルビーの無いデッキでもある程度聴けるレベルで再生が可能ですが、dbxノイズリダクションは処理が複雑であるため、単純なイコライザー調整では再生することはできません。

そのため、dbxノイズリダクションで録音したテープは再生できる環境が極めて限られてしまう点もあまり普及しなかった一つの要因だったと思います。

 

今回入手したのは保証付きの中古でオートリバース機構(ヘッド周り)の状態が微妙にずれている為か、A面再生時は高域がやや出にくくなっているように感じますが、B面で再生時は極めて高音質で、録音に関してはA面、B面共に極めて良好なのでこのまま使っていくことにします。

中古デッキで問題が出やすいテープ走行機構もまったくなく、テープの再生速度のずれも見受けられない30年以上の前のカセットデッキとしては極めて状態が良いデッキで大満足でした。