押し入れからパナソニックのビデオデッキ、NV-BS30Sが発掘されました。
1993年製のBS内蔵のS-VHSデッキで当時ではそこそこの高級機だと思います。
あまりにも汚いので製品写真は拾いもので・・・・(笑)
まず外観は当時のビデオデッキにありがちな前面パネルは蓋を開けると多数の操作つまみが出てくるタイプで再生や手動での録画はリモコンが無くても問題なく行えるようになっています。そしてよく見ると録音レベル調整つまみやヘッドホン端子まであります。これはオーディオ性能も期待できそうです。
そして背面はビデオ入力2系統に加え出力も2系統あります。そしてBSの音声出力用に光デジタル出力もあります。これには驚きました。
そして軽く動作チェックを行います。破損しても問題ないようなテープが1本だけありましたので、それを1本突っ込んでみます。問題なくローディングされ、テープ排出も問題ありません。そして単体で再生、巻き戻し、早送りなどの動作はできているようなので、テレビに繋いでチェックしてみます。
そしたら・・・映像が見事なモノクロ映像になっていますが、映像の乱れなどはありません。音質もテレビの内蔵スピーカーで聴くレベルでは問題なさそうです。
そして軽くヘッドクリーニングします。ヘッドクリーナーテープなんて持ってませんので、天板をあけてオーテクのカセットデッキ用クリーニング液で軽く清掃をします。
そして再び再生テストをしてみますが映像に変化はありませんでした。もしかしたら他の部分に問題があるのかもしれませんが、オーディオ用として使うので映像に関しては多少おかしくても問題ありません(笑)
そして手持ちのテープでオーディオ性能を確認してみます。使用するテープは恐らく1990年代終盤あたりの1本300~400円くらいだと思われるの富士フィルム製の標準的なビデオテープです。
試しにPCからホワイトノイズを出力して録音し、その周波数特性を確認します。
正直、目を疑いました。20hz-24khzまで綺麗にフラットな特性で、24khz以上はまるでデジタル機器のように急激に落ちてます。
音楽も数曲録音してみましたが極めて良好です。
ではここまで問題ないのだったらVHSテープを買いに行きましょう。確か数ヶ月前にどっかで売ってるの見た記憶があったので、自宅から20分圏内のホームセンターや家電量販店などを数軒探しましたが全くありませんでした。まぁ、国内メーカーは全メーカー生産完了してるので仕方ないところでしょう。
そして、自宅に帰り、改めてビックカメラの直販サイトで調べてみます。なぜビックカメラかと言いますと、店舗の在庫を確認することもできるからです。
そしたら・・ありました(笑)しかも、磁気研究所(HIDISCブランド)と住友製作所と聞いたことすらないメーカーの2つの製品がありました。
しかし後者は10本パックのみでしたので3本パックで売られている磁気研究所のものを買ってきました。お値段は約1300円。VHSデッキが現役だった頃でしたら3本399円とかで売られてそうな製品ですね(笑)
※商品品質について追記あり。
しかし、驚きました。こんな怪しげなテープでも24khz近くまでフラットな特性で録音でき、3倍モードでも20khz以上までフラットの特性で記録できました。
このテープで3倍モードのテストを行いましたが20khz以上まで綺麗な特性で再生できました。3倍モードでもメタルテープ並の周波数特性を持ってますね。
実際に音楽を録音しても極めて良好な音質でアナログのテープメディアだとは思えない安定した良質な音質でした。ノイズ量も極めて良好で聴覚上ではほとんど感じないレベルでした。
HiFi音声対応のVHSテープの音質は良いとは聞いたことがありましたが、ここまで音が良いとは知りませんでした。素直に驚くばかりです。
テープは怪しげなメーカのものしか無く、120分テープで1本あたり400円以上しますが、3倍モードなら6時間の録音ができますので・・・オーディオ用のメディアとしても充分使えそうですね。
【追記】
磁気研究所 HIDISCブランドのビデオテープですが、3本中2本はビデオデッキに挿入するとテープが絡まるという現象が発生しました。残り1本は何度使用しても安定してローディング・再生ができますが、残り2本は全くダメでした。
デッキは1台しかないため、完全にテープ側の不良と言い切る自身はないですが、手持ちのビデオテープ5本は問題なく安定して再生できており、うち1本は何度かデッキに絡まったことのある痕跡のあるテープですがこのテープも問題ありませんでしたので、テープ側の問題の可能性が高そうです。
このHIDISCブランドではカセットテープも発売されており過去に購入したことがありますが、磁性体の品質に問題がある製品で、ネット上で見かける評価もあまり良い話は聞きません。
カセットテープであればマクセルやNAGAOKAなどの信頼できるメーカーの製品がありますが、カセットテープに関しては信頼できるメーカーの製品が現存しないので困ったものです。