先日、リサイクルショップでカシオの1984発売のポケットコンピュータ、通称ポケコンのPB-110を見つけ衝動買いしてしまいました。
■ポケットコンピュータとは?
1980年代にパソコン入門機としてヒットした携帯型の簡易型パソコンですね。
当時はBASIC言語で動作するパソコンが主流で、パソコンが出来る=BASICで簡単なプログラムが作れる事と言われていた時代です。
そんな時代に1万円前後という低価格でBASIC言語が動作する低価格で売られており、このPB-110もBASIC言語入門機として販売されてました。
■CASIO PB-110とは?
こちらは現在の大きめなスマホとほぼ同じサイズの筐体に12桁のドットマトリクス液晶を搭載したもので、ポケットコンピューターという名な大げさではなく普通にポケットに入れて持ち運びが可能なサイズでした。
CPUにはHD61747という8ビットCPUが搭載され、メモリは1KBしか搭載されていませんでした。増設することも可能ですが、増設しても2KBまでし実装できません。
ただ、11000円という低価格ということもあり、当時はそこそこヒットしており、雑誌なんかにもよくPB-110用プログラムが掲載されているのも目にしました。
その代わり、前モデルと比べてマイクロソフトの標準的なBASICにより近くなってきていましたので、PB-110でBASIC言語を覚えたら他のパソコンのBASICも割とスムーズに覚えられるのではないでしょうか?
■ストレージは?
この機種だけではなく、他のメーカーのポケコンでも同様の仕様のものが殆どですが、ストレージと呼べるものは搭載されていません。
その代わりにメインメモリにはバッテリバックアップに対応したS-RAMが使われており、入力したプログラム等は電源を切っても保持されており、カシオのPB-110では最大で10個のプログラムを保存しておくことができました。
その他にオプションのカセットインターフェイスとデータレコーダ(テープレコーダー)を接続し、カセットテープにプログラムを保存することができました。
■ソフトはどんなものがあった?
実はポケコンでは市販ソフトはほとんど無く、基本的に自分でBASIC言語でプログラムを作成するのが一般的でした。
販売されてるパッケージソフトは皆無でしたが、当時のパソコン雑誌なんかにはよく読者投稿のプログラムが掲載されており、その中でもPB-110は当時の人気機種でしたので、ゲームプログラムなんかは他のポケコンとくらべてよく見かけました。
メモリ容量が少ないのでプログラムも短いので、当時はそれを打ち込んで遊んでた人も多かったはずです。
■実際に操作してみた
古い記憶を頼りに簡単なBASICプログラムを作成してみました。
このPB-110シリーズがポケコン特有の1行表示の画面という関係上、画面表示周りには若干クセがありますが、それ以外はクセの少ない標準的なBASIC言語で、画面表示をするPRINT文の挙動を少ししらべただけで、あとは標準的なBASIC言語の記述でプログラムを書いただけで動作できました。
メモリ容量やCPU処理能力に制限がある中、しっかりとした標準的なBASIC言語が搭載されていたのは当時としては凄いことだったと思います。
■総評
低価格で小型なパソコンということで、メモリの少なさには苦労させられますが、少し触ってみた感じではBASIC言語の入門機としてはすごく良くできてますね。
これは当時ヒットしたこともうなずけます。
【変更棋歴】
※2024.03.26 私の記憶違いで、互換性に関する記述に間違えがあったため、訂正しました。