今回は・・・いよいよ超小型PCと呼べそうなものが登場した1990年です。
まず紹介するのは前回に引き続きNECです。
1990年にNECから登場したのはHANDY98というモデルです。1.1kgという超小型PCと呼んでも良さそうなサイズのパソコンがいよいよ登場しました・・・。
当時はHDDはまだ高価なオプション扱いなので当然搭載されておらず、小型化のためFDDドライブの代わりに同等の容量のRAMディスクが搭載され、他にROMにMS-DOSフルセットとMS-WORKSというワープロや表計算などの機能が搭載された統合ビジネスソフトなどが搭載されていました。
しかしこれもデスクトップのPC-9801シリーズとは互換性がなく、何を血迷ったか前回の記事で紹介された失敗作、PC-98LT互換だったのです。当然の如く売れませんでした(笑)
そして翌年には富士通からも同じカテゴリの製品、FM-R CARDが登場しました。こちらは990gとNECと比べて若干小型軽量になっています。
NECのHANDY98と同様に同社のデスクトップパソコンのFM-Rシリーズをベースに一部VRAM周りが非互換になっている部分がありますが、大部分のFM-Rシリーズ用ソフトが動作できたようです。
ただ、ベースとなっているFM-Rシリーズ自体、パーソナルユースではほとんど普及していないモデルでしたので、話題にはなりましたがどの程度売れたでしょうか?私は実物を見たことがありません(笑)
そして、国内販売されたものではありませんが、HPから発売された95LXです。
こちらは1991年に発売されたモデルで312gという小型軽量ボディーではありますが、IBM-XT互換機で単三電池2本で動作しました。
またROMにMS-DOSやLotus1-2-3などの当時の人気ビジネスソフトまで内蔵されていました。
日本向けには発売されていませんが、パソコン通信などのコミュニティーで有志による日本語化が行われたりと日本では熱狂的なファーンが多くいました。
今回は超小型PCと呼べるものがちらほら登場してきた1990年~91年に出てきたものを紹介してみました。いよいよ超小型PC時代の幕開けかと思ったら・・・HANDY98は後継機種は出ず、FM-R CARDもマイナーチェンジで後継機が出ただけですぐに市場から消えてしまいました。
HPの95LXはマニア人気が高く1994年までモデルチェンジが続き、1999年まで生産が続けられていました。