私も日常的に使っている超小型PC、その歴史をちょっと遡ってみようと思います。
まず自分が超小型PCのご先祖様というと思い浮かぶのは「ポケコン」ですね
一番初期の製品は1980年発売で、このような1行表示の英数文字のみ表示可能な液晶パネルが搭載され、初期のものは4ビットCPUに2KB前後のメモリが組み合わされており、単体でBASICプログラムの作成から実行まで行うことができました。
メーカーとしてはパソコンの小型版というよりも超高性能な電卓という位置づけでカタログもパソコンではなく電卓のカタログに掲載されていました。
スペック的に当時の標準的なパソコンと比べると大きく劣っており、パソコンとの互換性も全くありませんが、当時の最低価格のパソコンが8~10万円程度からというものに対し、標準的なポケコンは2~3万円と非常に安価でした。
そして単体でBASICプログラムが組めることもあり、パソコン入門機として購入される人も非常に多かったです。
ソフトの面では市販ソフトは皆無でしたので、自作プログラムを動かすか雑誌などに掲載されてるプログラムを動かすといった使い道が一般的でした。
このポケコン、1980年代も中盤に入るとすっかり忘れ去られてしまう存在ですが、地味に市販モデルは1993年まで販売されており、学校教育専用モデルとしては2015年まで製造されており、2016年の情報では東京の株式会社 武善という会社で新品が購入できるとの事でした。
ちなみに私個人も1993年、高校生の頃まで愛用してまして、特に高校時代は工業高校でしたので、実習データの面倒な計算を楽するためにポケコンで自作プログラムを使って計算してました。これは年配の先生には嫌がられましたが若い先生なんかは興味を持たれた先生もいましたね。そして学校の98で動かせるように移植して先生方の一部から評価をいただきました。成績には反映されてませんが(笑)
そして一般的なデスクトップパソコンと同等の性能とポケコンの気軽さを兼ね備えたハンドヘルドコンピュータというものもありました
こちらはA4サイズのボディーに80桁×8行という当時としては大型のモノクロ液晶画面を搭載したモデルでした。ポケコン同様にBASIC言語が動作しますが、性能や拡張性は一般的なパソコンに近い性能を持ってましたが互換性はありませんでした。
主にビジネスユースを前提に販売されていたこともあり価格は定価で138000円と非常に高価だったため、こちらはほとんど売れず、国内では後継機が出ることもなく消えていきました。
このように超小型PCのご先祖様と呼べるものは1980年初頭のパソコン黎明期の時代から存在してました。
しかし、デスクトップパソコンとの互換性を持ったポータブル機の登場するのはまだまだ先になります・・・。