【PC部屋の風景】1981年発売 NEC PC-6001

今回は押し入れから出てきたPC-6001で遊んでみました。

 

PC-6001ってどんな機種?

1981年に発売されたNEC製のパソコン。当時はビジネスユースを意識したお堅いイメージのパソコン多かった中、PC-6001はホームユースを強く意識したパソコンで、当時としては破格の89800円という価格で発売された機種です。

低価格機ですが、ホビーユースを強く意識した機種で最大4色と貧弱ではありますがカラーグラフィック機能を搭載し、PSG3音のサウンド機能も標準装備されていたのも当時としては特徴的でした。

 

■モニターは普通のテレビ!

モニターはRGB端子などのPC専用の端子はなく、一般的なビデオ端子と当時一般的だった外部入力端子のないテレビと接続するため、テレビのアンテナ線に割り込ませて接続するRF端子の2種類でした。

PC-6001の画面解像度は最高でも256×192ドット(モノクロ)でしたので一般的なテレビでも充分だったのですが、プログラミング時は文字がにじんで表示されるのが気になったものです。

その反面、2019年現在でも普通のテレビに普通に接続できるので、逆に今となっては非常にありがたい接続方法です(笑)

 

■記録メディアは・・・

当時はHDDなんて世の中にパソコン向けで使えるサイズのものがようやく出回りはじめたばかりで価格はドライブのみで40万円くらいする代物、フロッピーディスクも容量が僅か160KBの5インチドライブでも10万円以上する代物でした。

PC-6001に接続できる純正ドライブは当時としては破格の89800円ではありましたが、接続に必要な拡張インターフェイスや拡張BASICを含めると10万円は超えてしまう代物でありました。

 

そこで当時はほとんどのパソコンの標準的な記録メディアとして使われてたのはカセットテープでした。こちらは特殊なものではなく普通に音楽などを記録できるカセットテープが使われました。使われるデッキはPC専用のものが使われることが多かったですが、ラジカセ等のイヤホン・マイクの端子があるテープレコーダーであれは代用することもできました。

写真はAIWA製のパソコン用テープレコーダー(データレコーダ)、DR-20です。

転送速度はPC-6001では1200ビット/秒でした。当時としては標準的なもので、市販のゲームソフトを読み込むのに5~10分以上かかるのはごく普通でした。

また、アナログの音声信号で記録されているため、信頼性は低く、途中でエラーで止まってしまうことも少なくなかったりします。

パソコン用に設計されているレコーダーでは信頼性は上がりますが、それでもやはりエラーやデータ化けは発生します。

 

■どんなゲームがあったの?

当時はまだファミコン登場以前でほとんどのものがシンプルなゲームで、中にはちょっとBASICを勉強すれば自分でも作れそうな市販ソフトもありました(笑)


AX-1 ブレイクアウト PC-6001 pc retro game 1982

 

ソフトウェアの技術がある程度熟成されるとスペースハリアーゼビウスなどのアーケードの人気作も移植されます。画面は簡素ではありますが、ゲーム性はしっかりとしているものが多く発売されており、当時の競合機種と比べて市販ソフトに関しては恵まれていたのかもしれません。


PC-6001 タイニーゼビウス TINY XEVIOUS

 

PC-6001シリーズのその後

その後、日本語表示を可能にする漢字ROMやグラフィック機能の向上を計ったPC-6001mk2、更なるグラフィック性能の向上やFM音源や合成音声などの高性能なサウンド機能を搭載したPC-6001mk2SR、そしてフロッピードライブを標準搭載したPC-6601シリーズなど、計5機種が発売されました。

しかしファミコンをはじめとする高性能なゲーム専用機の登場もあり、パソコンの世界では高性能な上位機種が人気を博し、上位機種のNECのPC-8800シリーズやシャープのX1シリーズなどが主力となり、入門機のPC-6001の役目は終わり、1984年発売のPC-6601SRとPC-6001mk2SRがPC-6000シリーズ最後の機種となりました。

 

しかし、2019年現在でもファンの間では根強い人気があり、同人ソフトで新作が発表されるのどしています。

 


PC-6001実機用カートリッジ版「BELUGAmkII 特攻空母ベルーガ」