いわゆるバブルラジカセの音が聴きたくなって、押し入れからPanasonicのCDラジカセ、RX-DT7を引っ張り出して音を鳴らしみました。
1989年発売のモデルで当時の中級機です。パナのバブルラジカセというとコブラトップを連想する人も多いとは思いますが、まだコブラトップ登場前のモデルになって、外観は当時のCDラジカセとしてはオーソドックスなものでしょう。
では、軽くこのラジカセの特徴を紹介してみます。
・アンプ/スピーカー部
スピーカーはウーファー 10cmとミッドレンジ7cmのラジカセとしては口径の大きなスピーカーが2Way構成で搭載されています。この2Wayスピーカーはウーファー7.5W+ミッドレンジ2.5Wのバイアンプ駆動になっています。
この当時は「重低音」というのが流行のキーワードのひとつで、このラジカセでもS-XBSという重低音システムが搭載されています。こちらの機能はスイッチによるON/OFFのほかボリューム調整が可能になっています。
こちらの重低音は不自然な低音の強調ではなく、非常に迫力のあるサウンドを奏でてくれ、S-XBSを最大にしても音が不自然な音になることはありませんでした。
・CD部
CDラジカセとしてはオーソドックスな筐体上部についた一般的な形状のものです。
CD→テープダビング時はCD全体の音量をスキャンして録音レベルを自動調整してくれる機能の他、テープの長さに合わせてできるだけ綺麗に収まるように自動的に曲順を調整してくれる機能などもあるようです。
・カセットデッキ部
電子制御タイプのWカセットになっています。このデッキの特徴はメタルテープとドルビーNRの録再対応です。通常ラジカセですとメタルテープは再生のみのものが多く、ドルビーNRも再生のみ対応というものが多いなか、非常に高機能になっています。
また、ハイポジ・メタルテープは自動検出になっています。
もちろん、オートリバースは録再ともに対応になっています。
私の所有している個体はカセットデッキが故障しているため、カセットは外部入力端子に別のデッキを接続しています。
・チューナー部
チューナー部はFM/AMの他にテレビ放送のVHF/UHFの4バンド対応の電子チューナーが搭載されています。感度としては特段良くはなく標準的な感度だと思います。
当時はラジカセではアナログチューニング方式のものが主流で当時としてはかなり先進的なものだったと思います。
また、当時のラジカセではTV放送の受信ができる機種でも音声はモノラルのみになっていますが、こちらの機種はステレオ放送や音声多重放送にも対応できるようでした。
当時はテレビ自体もステレオに対応していたものは高価なものばかりでしたので、テレビの音楽番組の録音に活用した人も多かったのではないでしょうか?
・外部入出力
本体背面にRCAピンジャックによるAUX入力のほか、CD音声の出力端子があります。出力がCD音声のみ対応してるのはちょっと謎仕様ですが、外部入力がピン端子になっているのは当時としては非常に使い勝手が良かったのではないかと思います。
・実際に試聴してみて・・・
とにかく迫力のあるサウンドです。低域がものすごくしっかり出ており、80年代~90年代のポップスとの相性は抜群です。
当時のラジカセでは不自然に低音をイコライザーで持ち上げたような重低音が多かったのですが、こちらのラジカセではバイアンプ接続のしっかりとしたスピーカーが搭載されているため、重低音のレベルを最大に上げても気持ちいいサウンドが楽しめます。
カセットデッキは外部接続ですが、しばらくはこのラジカセをサブシステムとして気軽に音楽を楽しむシステムとして使ってみようと思います。