愛用しているウォークマン、WM-GX622が不調につき、ネットオークションなどで適当なカセットテープのヘッドホンステレオを探してたところ、手ごろな価格で整備済みのWM-EX909が出品されてたので購入しました。
こちらの機種は1993年頃の製品でまだMDが本格的に普及するちょっと前の製品でした。この機種の最大の特徴は当時としては飛躍的に長いバッテリー持続時間でした。
当時の他の機種がガム型電池で2時間~3時間程度が一般的でしたが、この機種ではバッテリーを変えずに6.5時間の稼働時間を確保しています。この機種を皮切りに熾烈なバッテリー稼働時間競争がはじまった訳ですが・・・。
・このバッテリー持続時間の秘密!
このヘッド回り、カセットテープを使ったことある人であれば違和感を感じるのではないでしょうか?通常、再生専用モデルであれば1つであるヘッドが2つあり、逆にオートリバース機であれば2つ付いているはずのピンチローラーやキャプスタンが1組しか付いていません。
こちらは消費電力の大きなキャプスタン回りを1つにし、それを中心に再生ヘッドをA面用、B面用を個別で配置することで消費電量の低減を実現しています。
またキャプスタンの位置の関係からピンチローラーが極端に小さなサイズになっていて、走行性能は大丈夫なのか?と疑問を感じましたが実際再生する限り、このピンチローラーの悪影響はあまり感じませんでした。
・実はこれ不人気機種??
この機種だけではなく、この時代のソニー製ウォークマンは現在ではあまり人気のある機種ではなかったりします。
その理由がこちらです。
これ、ヘッドホン端子です(笑)高機能な液晶付きリモコン付きイヤホンが一般化するため、一般的な3.5mmのヘッドホン端子を廃止し、専用の形状にすることで接続性の信頼性の向上や小型化を計ったはずですが・・・・これじゃ専用品しか繋げません。この端子は当時でも不評だったせいで、後の世代ではこの形状は廃止され3.5mmミニプラグ+5ピンのリモコン端子に変更されています。
こちらの端子は変換アダプタも用意さてれますが、現在では生産完了しており、ネットオークション等で探すしかなく入手は困難だと思います。
幸いにもこの変換コネクタを350円でメルカリで見つけたため、この機種を購入した訳なのですが・・・(笑)
そして更に凶悪なのはこの端子。リモコン部からヘッドホンに繋がる端子です。当時はこの部分は直付けでイヤホン部のみを交換することができなかったのですが、この頃の機種からは交換に対応してますが・・・・この端子です(笑)
マイクロヘッドホン端子とかいう名称だったと思いますが、当時のソニー曰く信頼性と小型化を両立したプラグで本気で標準化を目指してたようですが、当然のことくソニー以外の採用メーカーもなく、不評の要因をひとつ増やしてしまう結果となりました。
・そして肝心の音質は?
不評の原因をダラダラと書いてしまいましたが、今回購入したものは専用のリモコンとイヤホンも付属していたので、そちらを使って聴いてみました。
こちらのイヤホンは現在主流のカナル型ではなく、オープンエアー型のイヤホンになっております。(当時はまだカナル型イヤホンは存在していなかった)
こちらのイヤホン、今のカナル型と比べると低域不足は否めませんが、ナチュラルで自然な音が奏でられる非常に聴きやすいイヤホンでした。また、カナル型イヤホンと比べて装着感が軽いため、長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。久しぶりにイヤホンでがっつりと音楽を聴いてしまいました。
そして、それ以外のヘッドホンやスピーカーでのの試聴はお預け状態です(笑)別に入手した変換プラグが届くまでのお楽しみです。
・そして現在でも入手できるガム型電池!
こちらの製品ですが、2011年に発売されたガム型電池で、2019年1月現在、メーカーのホームページで見当たらないため現在は生産されていない可能性もありますが、Amazonなどのネットショップでは安価に入手可能なようです。
その他にも海外メーカー製の怪しげなガム型電池は普通に入手できるようです。
・総評
入手困難のはずの専用のヘッドホン端子の変換アダプタが入手できましたので、今回入手したのですが・・・・はやり音の面では文句なしのレベルですね。その辺は流石ソニー製といったところなのですが、やはり、ヘッドホン回りの専用規格、現在使う上でそれが最大のネックなんですよね。
当時は比較的安価な価格で変換コネクタ類が用意され、マイクロコネクタ採用のイヤホンも付属品よりも上級グレードのものも用意されていたのですが、そちらは今となっては本体以上に入手困難なアイテムになっていますからねぇ・・・。
この時期のウォークマン、品質面では良質なものが多い時期だけに残念なところです。