【雑談】超小型PCの歴史でも探ってみますか・・・ その5

前回は1990年代のWindows搭載の超小型PCを見てみましたが、今回はWindows Vista発売以降の比較的新しいものを見ていきたいと思います。

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個人的にインパクトがあったのはASUSEeePC 4G-Xです。こちらのモデルは2009年に発売されたモデルで7インチ液晶で1Kgを切る超小型PCです。

このパソコンの凄いところはサイズでもスペックでもなく価格でした。通常のWindowsXPが動くノートパソコンが当時としては破格の5万円を切る価格で発売されたことです。(当時の一般的な低価格なノートPCは10万円以上していました)

液晶は当時、ポータブルDVDやカーナビなどでニーズが大きく安価に調達できるWVGA液晶を使用し、HDDを使用せず低価格な4GBのフラッシュメモリを搭載していました。

性能的には制約が大きく、特にストレージ容量が厳しいものですが、当時の最新OSのWindows Vistaではなく動作も容量的にも軽いWindowsXPを採用していました。

しかし、このパソコンは話題となりネットブックと言われる小型・低価格PCが各社から発売されて話題になりました。

 

「Willcom D4」の画像検索結果

同じ2009年にSHARPから発売された超小型PC D4です。こちらは登場したばかりの廉価モバイルPC向けのCPU Atomプロセッサを搭載した超小型PCです。

重量は500gを切った小型軽量機で5インチの1024*800の高解像度液晶、40GBのHDDを搭載し実用的なスペックでしたが、メモリが1GBで増設ができず、WindwosVistaを動かすのにはやや厳しめのスペックでした。

そしてこのモデルはWillcomPHS回線での通信機能を内蔵しており、販売もWillcomからされていた事もあり、PHS端末として販売されていたため安価に売られることも少なくなかったのも話題になった要因ですが、OSに当時あまり評判の良くなかったWindows Vistaを採用しメモリも1GBと少なめだったこともあり売れ行きは好調とは言えなかったようです。

 

「F-07C」の画像検索結果

2011年にNTTドコモ富士通から共同開発された超小型PCで少し大柄なスマートフォンのサイズでフル機能のWindows7が動作するものでした。

また携帯電話としての機能も備えており、通常のiモードWindows7を切り替えて使用でき、普段はiモード端末として普通の携帯電話と同じように使うこともできました。

ただ、小型化を追求したことと、iモード端末としての機能を同居させたことにより、Windows側からカメラ機能やGPSが使用できなかったり、マイクロSDカードへのアクセスが限定的だっり、別売のクレードルを使用しないとUSB機器が接続できない等と制約が大きかったこと、そして発熱を考慮しただでさえ遅いAtomを約600Mhzで動作させており、更にRAMは1GBしか搭載されていなかったため、とても実用的に使うには厳しい動作速度となっていました。

さらに当時は高性能なスマートフォンがかなり広まりはじめた時期でわざわざWindowsマシンを使わなくてもAndroidiOSを搭載したスマートフォンで充分という人がほとんどでした。

そのため、発売当初からネタ端末として扱われました。ドコモから携帯電話として販売されていた為、安価で入手できたこともありそこそこ売れたようですが、後継機種も発売されることもなく1代限りで生産完了となった名(迷?)機でした。

 

「Windowsタブレット」の画像検索結果

2012年頃あたりになると、国内外の各社からWindows8搭載のタブレットPCが多数発売されてます。初期の製品は通常の1枚板のタブレット端末でタッチパネル操作だけではWindowsの操作には不便だったたためか、後に2in1タイプのモデルが人気を博し、現在に至ります。

初期の製品は低スペックの低価格製品が多かったと思いますが、人気が高まるとクリエイティブな用途に使えるハイスペックなPCから3万円程度で買える低価格タイプまで様々なバリエーションが発売されており、海外製品の中には1万円前後で買える7インチ液晶のタブレット端末も発売されています。

 

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最後に最新の製品を紹介します。

2016年に中国のGPD社よりクラウドファンディングで資金を集め製品化された超小型PCです。5.5インチ液晶を搭載し、400gを切る重量で久々のポケットに入るタイプのパソコンです。スペック的にもAtomプロセッサの最上位モデルZ8750、メモリも4GB、eMMC64GBと実用的に使えるスペックを搭載しており、使いやすいとは言えないもののキーボード、そしてポインティングデバイスとしても使えるゲームパッドを搭載し外出先で机が無い場所でも使いやすいモデルで人気を博していました。

また今年2017年には7インチ液晶を搭載し、キーボードを使いやすいものに改良し、メモリを8GB、eMMCを128GBに増強したGPD Pocketも発売されました。

現在、クラムシェル型の超小型PCでは唯一の製品で大手メーカーからの対抗できるようなモデルは発売されていません。

 

2011年以降はスマートフォンが広く普及し現在ではソフトウェアもかなり充実して大抵の事はスマートフォン単体でできるようになり、フル機能のPC向けOSを搭載した超小型PCの存在意義というもの自体が減ってきましたが、PCと同じソフトが動作する超小型PCの必要性はなくなる事はないと思います。

今後はどんな魅力的な超小型PCが出るのでしょうかねぇ?それとも今後はこのようなパソコンはもう出ないのでしょうか?気になるところですね