今回はWindowsの普及が急速に加速してきた1994年以降のお話を少ししてみます。
これまでの超小型PCというものはデスクトップPCとの完全な互換性が保たれてるものは少なく、一部簡略化されたアーキテクチャであったり、完全に互換性が無いものだったりしましたが、いよいよ通常のPCと完全な互換製を持った超小型PCが登場しました。
まず、思い浮かぶのが1995年にIBMが発売したPalmTopPC110です。
こちらは標準構成ではWindowsではなくDOS+独自ランチャの組み合わせではありましたが、HDDが付属したWindows3.1モデルも存在していました。(発売はWindows95発売前の1995年9月でした)
重量630g、A6サイズという小型ボディーでHDDは内蔵されておらず、その代わりに4MBのフラッシュメモリが搭載されており、DOS+独自ランチャがプリインストールされていたそうです。但し、PCカードType3に対応したカードスロットが搭載されており、PCカードスロットに内蔵できるHDDからの起動にも対応していました。
そのため、Windows3.1や無理すればWindows95を動作させることもできました。
マシンスペック的には486SX 33Mhz メモリは4MB 最大で8MBまでしか増設できないため、Windows95では何とか起動はできるものの常用するのには厳しすぎるスペックでした。
なお、このモデルは日本国内でのみ販売されていたものでした。
翌年の1996年には東芝からリブレット20でした。
IBMのPalmTop110と比べると810gとやや重いですが、スペックは格段に良くなっており、CPUはDX4-75Mhz RAMは標準8MBで最大20MBまで搭載可能でした。
またHDDは270MBのHDDが内蔵されており、当時の標準的なノートPCのHDDが1GB程度だったことを考えるとかなり容量は少なく、プレインストールのWindows95にOffice95をインストールするとかなり容量的にはぎりぎりでした。
こちらのモデルは当時大ヒットしており、モデルチェンジを繰り返し2005年までリブレットの名を持つモデルが発売されていました。
東芝リブレットに対抗場として発売されたNECのmobioNXです。外観はリブレットとほぼ同じサイズでスペックはモバイルMMX Pentium120Mhz、メモリは16MBからモデルにより32MB。最大80MBまで増設可能でした。HDDは1.6GBとかなり容量的には余裕はあり、液晶がVGAと解像度が低い点以外は普通のPCソフトが快適に利用できたように思われます。
翌年にはCPUを200Mhz、メモリを32MBに強化したWindows98プレインストールモデルが発売されましたが、両機とも思わしくなくこのモデルでMobioNXは消滅してしまいました。
1998年にはソニーからVAIO C1が登場しました。重さは1.1kgと競合機種とくらべて重めですが、競合機種がVGAだったのに対し、縦は480ピクセルですが横方向が1024ピクセルと横長の液晶画面を搭載していてより実用的に使えるモデルになっていました。
メモリは64MBとWindows98を快適に動かせるレベルのメモリを搭載し、HDDは3.2GBと大きめの容量でした。
こちらも大ヒットしたモデルで、2002年まで後継機種が発売され、Cシリーズの名は終了しましたが、超小型PCといえるモデルは2009年発売のVAIO Pが最後になりました。
この頃から、ようやくデスクトップPCとの互換性は非常に高くなり、通常のパソコンのソフトがそのまま動かせるようになりました。
その後はネットブックブームにより超小型PCの存在も変わってきます。