【雑談】35年前のNEC製のパソコン、PC-6001を入手しました。

今から35年前に発売されたNEC製のパソコンPC-6001を入手しました。自分自身も1983年頃から10年くらい愛用していました。

f:id:tomomik452:20170817205900j:plain

1981年に発売されたホビーユース向けのパソコンで、89800円という価格で発売されました。当時のスタンダードモデルのPC-8001の168000円と比べるとかなり格安になっています。

また、記憶装置も含めた周辺機器は家庭にあるものを使える設計になっており、モニターはビデオ出力とRF出力と家庭用テレビにそのまま接続できるようになっており、記憶装置もカセットテープを使用するため、同梱の接続ケーブルで市販のラジカセやテープレコーダー等を流用できるようになっていました。

つまり、本体だけを購入すれば専用モニター等の専用周辺機器を揃えずに揃えられるので非常にリーズナブルです。

 

また、当時のパソコンはマニア向けというイメージも強かったため、「パピコン」という愛称で売り出し、キャッチコピーは「ジャンケンポン、カセットポン♪」、更にソフトはMSXや家庭用ゲーム機と同様のROMカートリッジも使えるようになっていました。しかしROMカートリッジのソフトはあまり発売されませんでしたが。

 

本体側面に付いているカートリッジスロットにはゲームソフトの他、各種拡張機器を接続できるようになっており、増設メモリや拡張BOX、拡張BASICなどの様々な周辺機器が接続できるようになっています。

背面は冒頭でも紹介した通り、モニター出力としてビデオ出力とRF出力があり、逆にRGB接続には対応していません。その他のインターフェイスとしてはカセットレコーダーを接続できるカセットインターフェイス端子、プリンタ端子、そしてオプションでRS-232Cも使用できるようになっていました。

また、ホビーユースを意識しているだけあってジョイスティックポートはアタリ規格のものが2ポート装備されていました。

 

パソコンとしてのスペックはCPUにZ80の4Mhz。こちらは当時としては標準的なものでした。メモリは標準で16KB、オプションで32KBまで増設可能です。

画面出力はテキスト画面が横32桁×縦16行、グラフィック画面がモノクロ画面で256×192ドット、カラー画面で128×192ドットとお世辞にも高性能と呼べるものではありませんでした。そしてカラーグラフィックスは同時発色数はわずか4色です。

当時はグラフィック機能はオプションになっている機種も珍しくはなく、低価格モデルではありながら簡易的なグラフィック機能を搭載してるのは評価すべき点なのでしょうか?

音楽機能はPSG3音+ノイズ1音、当時としては標準的なものでした。

 

そして電源を投入すると最初に表示されるのは「How many pages?」の文字。こちらはビデオメモリを何ページ分使用するかという確認プロンプトです。ビデオメモリはメインメモリから割り当てられるため、このような仕様になっています。標準では最大2ページ、メモリ増設時は4ページまで使用できました。

ページ数を入力するとBASIC言語のインタープリタが起動します。

当時のパソコンはスペックが低くOSを使用していなかったため、メーカーが用意したBASICをOS代わりに使うことが一般的になっていました。

 

実際にこのパソコンがどんな用途で使われたかと言うと、プログラミングの学習やゲーム用途として使われることが多かったと思います。

またファミリー層を狙っていたため、NEC純正も含め幼児向けも含めざまざまな年齢層向けの教育ソフトも発売されていました。

 

このPC-6001シリーズはスペックの改良を重ね、グラフィックやサウンド機能の向上に加え、PC-6001mk2では合成音声機能、mk2SRではその合成音声機能が歌えるようになり、最上位モデルの6601SRではワイヤレスキーボードやテレビ制御機能、スーパーインポーズ機能と他の上位機種でも採用されていないようなユニークな機能が多彩に搭載されていたのも大きな特徴でした。

 

しかしPC-6000シリーズは意外と短命に終わり、1984年に発売されたPC-6001mk2SRとPC-6601SRが最終モデルとなり、ホビーユース向けはPC-8801シリーズに譲る形になりました。

 

最後にPC-6001の名作ソフト「タイニーゼビウス」をモチーフとした曲のリンクを貼っておきます。こちらは2007年にニコニコ動画に投稿され話題になった曲です。8ビットパソコン黎明期の夢と思い出が詰まった名曲だと思います。


PC-6601が歌うタイニーゼビウス