【雑談】ELPAの2000円のポータブルカセットプレーヤーの音質が酷すぎた・・・

先日、車でカセットテープを聞きたくてとりあえず買った2000円のポータブルオーディオプレーヤーですが・・・とにかく酷すぎました(笑)

オートリバースが付いたポータブル機が他に見当たらないのでこれを選んだのですが、オートリバースに釣られて大失敗でした。

 

まず凄いのは小さめの音でも音が歪みまくり。高音域はもちろんのこと、何故か低音域もスカスカでとても音楽を聞けるような代物ではありませんでした。

はっきりいって今まで聞いたカセットプレーヤーの音で間違えなく最悪です(笑)

 

ためしに周波数特性を計測してみました。測定方法は音声出力をパソコンに繋ぎ、「WaveSpectra」というフリーソフトを使って周波数特性を計測します。

音のほうはスマホアプリで「Audio Test tone Generator」というアプリを使ってホワイトノイズを生成します。

まずスマホから出力されている音を確認するためにスマホのイヤホンジャックからパソコンに繋ぎ計測してみます。

専用の測定器を使ってる訳ではなく、パソコンを使ったものなのであくまでも簡易的なものですので、あくまでも参考程度ということで・・・

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上の画像で赤色の線が最大レベル値。左のほうが低い音で右に行くほど高い音になっています。正しく再生されてるホワイドノイズならこのようにほぼ平らなグラフになっています。

 

そしてこの音をカセットテープに録音します。使用したカセットは「マクセル UR」。現在入手できる国内メーカーのカセットテープです。これをケンウッドのカセットデッキKX-W8020を使用して録音しました。

試しにこのテープをKX-W8020で再生してみました。

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自己録再だけあって高音域の衰退はノーマルポジションのテープだから仕方ないところですが、かなり綺麗な平らな線になっています。

そして問題のエルパの激安ポータブルカセットの周波数特性です。

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酷すぎます。KENWOODのデッキで再生したものと比べ見事な山のような形になっており、このグラフからの低音、高音の両方が大きく衰退してるのがわかります。これではまともな音楽再生ができるわけありません。当然ですがイコライザーを使っても補正しきれないですし、そもそも音の歪みが大きすぎて聞けたもんじゃありません。

更にこの機器、ステレオミニジャックのヘッドホン端子が付いてますが再生音はモノラルです(笑)

では実際の音を聴いてみましょう(笑)

 

ここまで測定したので、ついでに先日購入した東芝の実売6000円程度のCDラジカセの音も比較してみます。

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グラフが左から右にかけて緩やに下がっています。実際の音ですと低音がやや強調されて不自然な感じになっています。この程度ならまだイコライザで何とかできる範囲ですね。また急激に下がっているところがケンウッドと比べて低くなっています。安いデッキだけあって高音域の再生能力は低いことがわかります。

 

アナログオーディオ機器って思った以上に音質の差が大きいですね。ただ、現在では入手可能なカセットデッキのほとんどは5000円~10000円クラスの安価なラジカセで、1万円クラスの製品でもSDカードへの録音機能やリモコンなどが付いているだけで、カセット部はあまり変わらないものと思われます。

現在唯一生産されているカセットデッキTEACのCD-Rレコーダー一体型のカセットデッキAmazonでの価格は45000円程度とやや高価になっています。これのCD-Rレコーダー機能を省いたモデルを3万円程度で出してくれればちょっと欲しいかもしれません。

 

TEAC CDレコーダー/カセットデッキ シルバー AD-RW950-S

TEAC CDレコーダー/カセットデッキ シルバー AD-RW950-S

 

 

またメディアのほうに関しても大手メーカー製のカセットテープではマクセルのみで、ちょっと前まで製造してたソニーも現在は生産をしていないようです。

あとは海外メーカーの怪しげなものが多いので、現在新品で普通に買えるマトモなテープはマクセル製のものだけということになるでしょうか?

ただ、中身はカセットテープ全盛期の最下位グレードに近い製品なので、その頃の高品質なカセットテープと比べてしまったら残念ながら高音質とは言えません。

 

高音質な機器やメディアの入手が困難とは言え、最初のモデルの発売から50年以上経過しているカセットテープがいまだに新品の機器やメディアが普通の家電量販店やホームセンターで売られてるっていうのは凄いことですね。流石にコンビニでは見かけなくなりましたが、ホームセンターなら大抵は置いてあるようです。

逆に後に登場したMDやDATなどの機器は最初のモデルから20年経たずにメディア・機器ともに市場から消えてしまったことを考えるとカセットテープって凄いですね。

 

もし気軽にカセットテープの音を楽しみたいのであればこの辺の機器をおすすめします。

 安価なシンプルなモデルですがCD付きなのでCDからの録音が簡単にできるモデルで、音質面では録音・再生共に全盛期の機種と比べると劣りますが気軽にカセットテープの音が楽しめるという意味ではお勧めです。

本当はオートリバースくらいは欲しいところなのですが、最近はオートリバース付のプレーヤーはめっきり減ってしまい、ほとんど見かけません。

また、ラジオも電子チューナーのFMワイド放送に対応したものが付いている他、乾電池でも動作するので災害時にも活用できるかもしれませんね。

 

 

【追記】

テープの回転速度についても調べてみましたが、一定の周波数のトーン信号を記録したテープを再生し、その周波数を測定してみました。どうやら基準としているデッキと比べて約3%程度速いようです。規格上では±1.5%までの誤差は認められているようなので、規格よりも大きな誤差と言えますね。

また、テープの回転数とは関係ないですが、波形の形が他の機器では綺麗な形になっているのですが、この機器では波形がやや乱れているのも気になります。

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余談ですがダブルデッキのケンウッドKX-W8020ではデッキAとBを比較したところ約1%程度の誤差があるようです。