では、その1では必要なものをそろえましたので、まずは基礎的な設定を行います。
まず一番手っ取り早く仮設定ができるタイムアライメント機能の設定を行います。
FH-9200DVDをはじめカロッツェリアのタイムアライメント対応機器では基本的に距離で入力できるため、リスナーの耳の位置からスピーカーの距離をメジャーで計測して入力すれば概ね良好な設定が得られます。そんなに綿密な距離を計測する必要はありませんので、大体で結構です。(設定は2.5cm単位です)
そして、今回はフロント4chをバイアンプ接続するネットワークモードを利用していますので、ツイーターとドアスピーカーを個別に設定することができますので、こちらの設定に入ります。
ここではトーン信号を使って調整しますが、
ますはクロスオーバ-の調整から行います。
クロスオーバーとは各ツイーター・ドアスピーカー・ウーファーの各スピーカーにどの音域を担当させるかを決める作業です。
まず、ツイーターの能力を調べるため、スピーカーの出力レベル設定でツイーター以外のスピーカーのレベルを最小にしてから、テスト用トーン信号で正常に音が鳴る範囲を調べます。
10Khz程度のトーン信号から徐々に低い周波数の信号を再生しながら、どの周波数帯まで音が歪まずになるかを調べます。
ここで良好に再生できる下限付近より1~2段階高い周波数をクロスポイントに設定すると良いでしょう。
そして、決めたクロスポイントの接続ですが、まず、ツイーターのハイパスフィルターの設定で、先ほど決めたクロスポイントの周波数を設定します。
スロープに関しては個人的には一番大きな数値がすっきりして無難な音になるので、基本的に一番大きな数値に設定してます。
次にドアスピーカー(MID)のローパスフィルタを設定しますが、ツイーターのハイパスフィルターで設定した周波数より1段階低い周波数で概ね問題ないと思います。
続いてドアスピーカーもツイーター同様に200hzあたりから下げていって、音の歪みが大きくなる範囲を調べ、クロスポイントを決めてツイーターと同様にドアスピーカーのハイパスフィルターとウーファーのローパスフィルターの設定を行います。
以上で大まかなクロスオーバーの設定は完了です。
【カーオーディオ専門用語解説】
・ネットワークモード
これはカロッツェリア特有の言葉で、このモードが搭載されているデッキではバイアンプ接続ができます。(バイアンプはその1の専門用語解説を参照)
・クロスオーバー
バイアンプ接続時に各スピーカーの担当する周波数帯を調整する機能です。
・ハイパスフィルター
特定の周波数より高い音のみを出力する機能です。
・ローパスフィルター
特定に周波数より低い音のみを出力する機能です。
サブウーファー接続時はドアスピーカーではハイパスフィルターの両方を組み合わせて使用します。
・クロスポイント
ドアスピーカーとツイータ、ウーファーとドアスピーカーなどの音の境目となる周波数帯のことです。
・スロープ
ハイパスフィルターやローパスフィルターで指定した周波数から先の音を徐々に小さくするか急激に小さくするか調整する値です。
急激に小さくしたほうが音がすっきりして聴きやすいですが、その分調整の難易度は上がると思います。