【思い出のレトロPC紹介】第6回 任天堂ファミリーBASIC とゲームパソコンの数々

3か月近く放置していましたこのシリーズ、第6回はパソコンと言えるかは微妙ですがファミリーBASICを紹介したいと思います。

 

任天堂が1984年に発売したファミコン上で動作するBASICカードリッジと専用キーボードをセットで販売していたもので、ファミコン上で自作プログラムの作成ができるものです。

スペックに関してはファミコンで動作するためあくまでも簡易的なBASICという印象が強く、BASICプログラムの動作に使えるユーザーメモリはわずか2KBしか用意されず、複雑なプログラムは組むことはできませんでした。

こちらは、後に別売品として販売されたバージョンアップ版BASICの「V3」では4KBに強化されたものの、それでもパソコンとして使うには充分な容量とは言えないものでした。

 

ただ、一般的なパソコン用BASICと異なる点はROMにキャラクターや背景に使える素材データのようなものが内蔵されており、BASICからもスプライトで簡単に扱えるようになっている為、メモリ容量の割には見栄えの良いゲームは作ることができます。

また、メモリに直接アクセスできるBASIC命令も用意されていたため、パワーユーザーはBASIC言語と機械語ファミコンのCPUを直接制御できるプログラミング言語)を駆使してより高度なプログラムを作ることができました。

 

データやプログラムの保存は専用、もしくは市販品のカセットレコーダーを接続する当時の8ビットパソコンでは標準的な方式のほか、BASICカードリッジ内にメモリバックアップ用の電池が搭載され、電源を切ってもメモリ内容が消失しないようになっていました。

 

 

当時は任天堂のほかにも玩具メーカーやゲーム機メーカーから低価格なホビーパソコンが登場していますので、簡単に紹介してみます。

 

SEGA SC-3000

1983年に発売されたセガの初期の8ビットゲーム機SG-1000をベースにキーボード一体型にしたゲームパソコンです。

BASICカードリッジは別売で用途に合わせて5種類ものバリエーションがあったが、もっともハイスペックなものでは本格的なパソコン並みの32KBのRAMが搭載されていました。またほかのゲームパソコンでは見られなかったもので3インチFDDや64KBの拡張RAM,各種周辺機器が接続できるI/Fを搭載した拡張ステーションも発売されましたが、こちらは8万円近くと非常に高価であったため、あまり出回らなかったらしいです。

 

★トミー ぴゅう太

1982年に発売されたトミーのキーボード一体型ゲームパソコンです。

日本語BASICという非常に特徴的なBASICを搭載し、メインターゲットの小学生でも理解しやすいように、BASICの命令文がすべてカタカナの日本語になっているという特徴を持ちます。

ただし、59800円とゲーム機としては非常に高価だったこともあり、あまり普及することはありませんでした。

 

★タカラ ゲームパソコンM5

1982年に発売されたゲームを前提としたパソコンで、キーボードは内蔵されていたもののBASICは別売となっていました。

価格は49800円とぴゅう太より若干安価ではありますが、BASICが別売であったことを考えると割安とは言えない感じもします。

 

★カシオ 楽がき PV-2000

1983年に発売されたカシオのゲームパソコンで、29800円と当時のゲームパソコンとしては非常に安価なものでした。

ただ、キーボードがカード電卓なシート状のもので非常に打ちにくいもので本格的なゲームプログラミングを楽しみたいユーザーには見向きもされなかったようです。

またROMカードリッジでの専用ゲームソフトもわずか10本しか発売されなかったことも敗因のひとつだと思われます。

 

 ★バンダイ RX-78 GUNDAM

1983年に発売されたパソコンでガンダムの名称を使って売り出したパソコンでした。

59800円と高価な上、BASICも別売であったこともあってか、当時はほとんど売れなかったようです。

 

そして、低価格ホビーパソコン市場には家電メーカーやパソコンメーカーなども多数参入しており、こちらは本格的な仕様になっているものが多いようです。

 

NEC PC-6001

NECが1983年に発売したホビーパソコンで、84800円という価格で、ゲームパソコンと異なる本格的なスペックのパソコンとしては非常に低価格な部類ではありました。

詳しくはこのシリーズ第1回で紹介してるので、今回は割愛します。

 

★家電各社 MSX

 1983年にアスキーマイクロソフトが主導で提唱されたホビーパソコンの統一規格で、家電メーカー各社から発売され、価格は概ね6万円程度が主流で、最も安いものでは定価で19800円でした。

本格的なパソコンにゲーム機と同様のROMカードリッジスロットを搭載したことで、市販ゲームも簡単に遊ぶことができたことも人気の要因だったとも言えます。

また、後にMSX2,2+、16ビットCPU搭載のTurboRなどの上位規格に発表され、当時のホビーパソコンの中では一番売れたともいわれておりました。

 

★コモドール MAXマシン

コモドールが日本向けに発売したホビーパソコンで、本格的な8ビットPC「コモドール」の下位機種にあたる機種で、価格は34800円と非常に低価格であったが、メモリ容量が少なくBASICも別売になっており、ヒットせずに消えていった。

海外では上位機種のコモドール64は非常に高い人気を誇っていたようです。

 

シンクレア ZX81

イギリスのシンクレア・リサーチ社が販売された1982年に発売したホビーパソコンで、日本国内では三井物産を代理店とし34800円という価格で販売し、書店ルートでの販売が強かった。

しかし、国内ではあまり売れず後継機種も国内では販売されることはなかったようです。海外では非常に高い人気を誇り、低スペックながらも数々のアーケードゲームが移植されており、上位機種のZX Spectrumでは現在でも新作ソフトがリリースされているというから驚異的であります。

 

特に1982年~84年にかけてはホビーパソコン激戦区ということで、非常に多彩な機種が発売されましたが、結局生き残ったのは国内ではパソコンメーカー製の数機種のみでゲームメーカーや玩具メーカーのもので売れたという話は全く聞きませんでした。

後半で紹介した機種は機会があれば後日また紹介してみたいと思います。