【思い出のレトロPC紹介】第4回 富士通 FM-TOWNS

第4回は富士通のハイパーメディアパソコン、FM-TOWNSを紹介しようと思います。

1989年に初代モデルを発売したパソコンでホビー分野や教育分野に特化した設計になっており、当時では先進的な32ビットCPUにCD-ROMを搭載していたことが特徴でした。

当時はCD-ROMを標準搭載しているパソコンは他には存在せず、CPUに32ビットのインテル386を標準搭載というのも非常に珍しかった時代でした。

競合機種であるシャープのX68000では当時全モデルで16ビットの68000、PC-9801シリーズは普及モデルは286、上位機種で386という状態ことでホビーパソコンで386標準搭載とは非常に驚かされました。

 

OSはMS-DOSをベースにDOSエクステンダで大容量メモリを扱えるように拡張し、独自のGUI環境を標準搭載したTOWNS-OSが標準添付されていました。

TOWNS-OSは当時としては珍しいCD-ROMから起動できるOSで、設定などはフロッピーディスクに保存するという形を取っていました。もちろんHDDへのインストールも可能で、本領を発揮するためにはHDDは必須だとも言えました。

また、別途用意されていたFM-TOWNS専用版MS-DOSを利用することで、同社のビジネス向けパソコンFM-Rシリーズ用の豊富なビジネスソフトも利用可能で、X68000に対してアドバンテージになる・・・・・予定でしたが、ホームユースではFM-Rはまったく普及しておらず、FM-TOWNSで積極的にFM-Rのソフトを利用していたという話はあまり聞いたことがありません。

 

当時は特に小中学校へのパソコンが積極的に行われていた時期で、CD-ROMを活かしたインタラクティブな教育ソフトを多数用意することに成功したため、学校などの教育施設でも数多く導入されたという話は聞きました。

ちなみに自分の母校はPC-9801EX2で、TOWNSが導入された学校が羨ましかったです(笑)

 

そしてホビーの分野でも非常に人気のあったFM-TOWNSだが、マニアックなユーザーはX68000を選ぶという結果になりました。

386はDOSエクステンダでプロテクトモードで動作させてたとはいえ、68000と比べてメモリの扱いが面倒らしく、ソフトウェア開発を自ら行うようなパワーユーザーはX68kを好み、またアーケード基板と構成が似ているX68000のほうがアーケード作品の移植に適しているため、ゲームソフトの数やフリーソフトの数や質では圧倒的にX68000のほうが優勢になってしまいました。

 

後にFM-TOWNS用のWindows3.1やWindows95が発売されると低コストで高性能なAT互換機には太刀打ちできず、1995年には同社のAT互換機のFM/VにFM-TOWNS互換ボードを組み込んだFM/V-TOWNSも発売されたものの、1997年のモデルH20を最後にFM-TOWNSの歴史に幕を閉じました。

 

私はTOWNSからX68kに移行したユーザーに安く譲ってもらいましたが、結局はあまり活用できずにホコリをかぶっていました・・・(汗

当時はメインマシンがEPSONの98互換機でしたが、FM音源FM音源3音+PSG3音のいわゆる26音源相当の音源しか搭載されていなかったので、私にとってのTOWNSの使い道はパソコン通信で流通してたFM音源の音楽データ(MDXなど)の再生には使わせていただきましたが・・・(笑)